「県職員は倫理を求められない」処分を軽減…青森

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青森県は3月29日、飲酒運転を行ったことで懲戒免職処分となった一般職員の処分内容を見直し、停職4カ月に修正したと発表した。

職員の飲酒運転抑止を目的に2003年4月に導入された厳罰化だが、運用面での問題が露呈した。

青森県人事委員会によると、処分内容の修正が行われたのは県の出先機関に勤務し、一般職にある28歳の男性職員。

この職員は2004年4月10日の未明、県内にある飲食店でビールなどを飲んだ後、帰宅するためにクルマを運転していたところを警察官に発見され、道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で摘発。後に免許停止30日間の行政処分を受けた。

職員は飲酒運転で摘発された事実を上司に報告した。青森県では2003年4月以降、一般職員に対しても「飲酒運転で警察に摘発された場合は原則として懲戒免職」という罰則基準を設けており、職員はこれを適用され2004年5月21日付けで懲戒免職処分となった。

同様の基準は教職員(県教委)や警察にはあったが、一般職員に対してはこのときが初適用だった。

しかし、職員は「酒気帯び運転を行ったが事故を起こしておらず、上司にも報告しているので懲戒免職処分は厳しすぎる」として、同年7月に人事委員会へ不服を申し立てた。

人事委員会では検討を続けてきたが、職員が「飲酒運転を要因とする事故を起こしていないこと」や、「高度な倫理が求められる管理職や警察官、教職員ではないこと」、「人事院の指針では一般職の処分として停職や戒告が標準的」などの点を考慮。

「今回は懲戒免職処分に値しない」との最終判断を出し、職員への処分を2004年5月21日からの停職4カ月に改めた。

これによって職員は書類上としては2004年9月21日付けで元の職場に復職した扱いとなり、同日から実際に復職するまでの給与も支払われることになる。

青森県では2004年3月、速度超過違反を繰り返したとして2002年3月に懲戒免職処分となった中学校教諭が「免職処分は厳しすぎる」と不服を申し立て、今回と同様に停職処分に変更されるという扱いがなされている。

この際には「過去10年間に交通違反が理由で免職を命じられた職員がいないこと」が理由となっている。

「県職員(公務員)に対する市民の目は厳しくなっている」として、厳罰化に走る自治体は多いが、スタイルだけの厳罰化では意味を成さない。

《石田真一》

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