マツダ『デミオ』は2002年、同年春に発売された『アテンザ』とともに“新生マツダの象徴”としてデビューしている。これら2車種を含め、以降のマツダ車で積極的に導入されてきたのが“モジュールタイプ”の純正オーディオだ。
それまでマツダは他の自動車メーカーと同様、カーオーディオの共通規格である“DIN”採用してきたが、アテンザやデミオからは「表面パネルは同一で、裏側に収納する機器で差異を図る」というモジュールタイプを採用してきた。
モジュールタイプのオーディオを設置するメリットはいくつかある。インテリアデザインの見栄えが良いこと。さらには搭載しているオーディオの種類が一目しただけではわかりにくく、最低限のもの(CDプレーヤー)しか搭載していない場合にも負い目を感じにくい…というのがユーザーサイドとしてのメリット。
メーカーサイドのメリットとしては、ランニングチェンジで中身を入れ替えてコストダウンを図ったとしても、外からの見栄えが同じなのでわからない。変更に伴ったカタログ写真の差し替えをする必要もない…という二点が挙げられる。
ただし、モジュラーオーディオの全面採用には明らかなデメリットも存在した。
DINを採用せず、レスオプションの設定もこれまでは無かったことから、マツダ車を購入した場合には「市販オーディオを装着する」という選択肢は選べなかった。以前所有していたクルマからのキャリーオーバーも事実上不可能。この点、ユーザーから「何とかならないのか」という声が多数寄せられていた。
今年2月にフルモデルチェンジさせた『プレマシー』、そして今回マイナーチェンジが行われたデミオでは、モジュールオーディオのレスオプション(オーディオなし)を設定。2DINサイズのラックをセンターコンソールに設置して、市販オーディオやカーナビの装着が可能となった。
デミオの場合、レスオプションは2万1000円のマイナス。2スピーカーやパーネス、結線のためのコネクタはこの場合でも標準で装着されている。この他、エアコンがフルオートではなくマニュアルになること。最近のマツダ車自慢の装備であるミュージックHDDはモジュールタイプなので、排他選択になるなどの制限がある。