警察担当記者のひき逃げ、猶予付きの有罪

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昨年12月、広島県広島市内の国道54号線で、酒気帯び状態でバイクへの追突事故を起こしたまま逃走し、業務上過失傷害罪や道路交通法違反(ひき逃げ)などの罪に問われていた42歳の男に対する判決公判が15日、広島地裁で開かれた。裁判所は男に対し、執行猶予付きの有罪判決を命じている。

問題の事故は2004年12月22日に発生している。同日の午前2時20分ごろ、広島市中区基町付近の国道54号線で信号待ちのために停車していた20歳男性の運転する中型バイクに対し、後ろから走ってきた乗用車が追突する事故が発生した。

バイクを運転していた男性は路上に投げ出され、鎖骨を折る全治2カ月の重傷を負ったが、追突してきたクルマはそのまま逃走。警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始した。

事故発生から約40分後の午前3時ごろ、広島市内のテレビ局で警察担当の記者として務める42歳の男が同署に現れ、当直の署員に対して「追突事故を起こしたが、気が動転して思わず逃げてしまった」と話しかけた。

後に行われた呼気検査で酒気帯び相当量のアルコール分を検出したが、男は直前まで県警本部の広報担当者や他社の記者らとの忘年会に出席。その場から帰宅するためにクルマを運転したことを自供。ひき逃げ容疑を大筋で認めているため、業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕された。これが発覚したことで男は警察担当の任も外され、会社からは停職処分を命じられた。

15日に開かれた判決公判で、広島地裁の甲斐野正行裁判官は「普段の仕事から事故の重大さを知りながらも処罰を恐れ、負傷者の救護、報告をせずに逃走した卑劣な犯行」と指摘した。

しかし、被告の男が担当を外され、停職処分となっていることから「社会的な制裁は受けている」と情状の酌量を容認。被告に対して懲役1年2カ月(執行猶予3年)の有罪判決を命じている。

《石田真一》

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