奇瑞汽車の概念車『S16』は、同社の市販モデル『QQ』を未来的にブラッシュアップしたイメージ。「大きいことはいいことだ」の中国自動車市場に「クォリティコンパクト」の考え方を植え付けようという同社の意図が感じられる。
このアピールには事情がある。奇瑞汽車のQQが上海GMから訴えられているのだ。
旧大宇自動車(デーウ、韓国)が開発し、GM大宇が引き継いだ小型車を上海GMではシボレー・ブランドから『スパイク』の名で販売しているが、そのデザインを奇瑞が真似てQQに取り入れたというのが訴えの内容だ。
上海GMは、奇瑞QQの販売が一部地域限定から全国展開へと移行するタイミングで訴えた。しかも、奇瑞汽車はもともと上海汽車集団に所属していたが、「経営内容が明確につかめない」ことを理由に上海汽車集団から排除されている。
なんとなく因縁めいた関係だが、上海ショーの来場者の間では、奇瑞S16への評価はどうだったのだろう。上海っ子は「新しモノ好き」だが……。