【ホンダ エアウェイブ×創った人】その3 意外なほど俊敏なフットワーク…川勝幹人チーフエンジニア

自動車 ニューモデル 新型車
【ホンダ エアウェイブ×創った人】その3 意外なほど俊敏なフットワーク…川勝幹人チーフエンジニア
【ホンダ エアウェイブ×創った人】その3 意外なほど俊敏なフットワーク…川勝幹人チーフエンジニア 全 7 枚 拡大写真

「『エアウェイブ』には110psを発生する1.5リッターエンジンしかラインナップしておりません。開発中には、もう少し大きいエンジンを載せてはどうかという声もありましたが、私はこの1.5リッターでじゅうぶんだと思いました」と語るのはエアウェイブの開発責任者である川勝幹人さん。

ライバル車が上級グレードや4WD車に1.8リッターをラインナップするなか、川勝さんが1.5リッターエンジンのみでいける確信した理由はどこにあるのだろうか。

「この1.5リッターエンジンは『フィット』に搭載されているものと同じですが、エンジンやCVTの制御を変更し、燃費を少し犠牲にしてでも、動力性能寄りに振っています。その結果、1.5リッターの排気量でもじゅうぶんな動力性能を確保しました」と語る。

実際にエアウェイブは1.5リッターエンジンながらCVTとのマッチングもよく、意外なほど俊敏なフットワークを見せてくれる。街なかでちょっとした加速が必要になったときでも、アクセルを僅かに踏み込むだけで、すぐに回転が上がり、スムーズな加速をもたらしてくれる。さらにスポーティな走りを楽しみたいときには、シフトをSDモードにすれば、一気に使用回転域が上がり、高回転を維持してくれる。上級グレードのLにはパドルシフト付の7スピードモードも搭載されている。

高速の料金所の後で全開加速をするような場合を除けば、日常的に力不足を感じることはないだろう。実際に3名乗車と多少の荷物を積んで走っても、まったく非力さは感じなかった。そして、さらに驚いたのはフィットに比べて乗り心地がよいことだった。

その点について川勝さんは「足回りのベースはフィットですが、フロントは全面的に新設計しています。その結果、ワゴンらしい安定感のある乗り心地と、長距離を走っても疲れにくい設定になっております」と説明する。

確かにエアウェイブのフットワークは、フィットに比べてストローク感が増しており、操縦性が向上している。フィットでは少し気になった、路面からの突き上げ感もだいぶ緩和されている。これだけ乗り心地がよければ、メインターゲットの若い男性だけではなく、ファミリカーとしての需要が見込めるのではないだろうか。

その問いに対して川勝さんは「メインは若い男性ですが、サブターゲットはストリームなどのスタイリッシュミニバンを卒業して、クルマのダウンサイジングを考えていらっしゃる方も狙っております。実際に私にも子供がおりまして、今まではオデッセイに乗っていたのですが、上の子供が高校生になり一緒に出掛ける機会も減りました。そういう私たちのような家庭にも、エアウェイブは適したクルマだと思います(笑)」とコメント。

エアウェイブはメインターゲットの若い男性はもちろん、ファミリーに対しても魅力的なクルマに仕上がっている。フィットのいい部分を生かしながら、フィットとは違ったユーザーにも訴求力があるクルマが開発できたのも、フィットを知り尽くした川勝さんだからこそに違いない。

《岡島裕二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ルノーの新デザイン言語採用、小型SUV『キガー』改良新型をインドで発表
  2. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  3. 『バンディット』のフロントマスクは「打ち上げ花火」!? スズキ『ソリオ』開発デザイナーが語るマイチェンへの葛藤と探求
  4. ジープ初の1.6リットルターボハイブリッド搭載、SUV『チェロキー』新型が四角い新デザインで登場
  5. あさひ、通勤向け電動アシスト自転車「OFFICEPRESS-e」モデルチェンジ…安全性と整備性を向上
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る