バスからの小学生転落事故、自殺男性も送検

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3月、静岡県内の東名高速道路で、走行中の観光バスから12歳の女児が誤って転落し、後続車にはねられるなどして死亡した事故について、静岡県警は9日、3人を送検した。

同県警は転落後の女児をはねたクルマは3台だったと最終的な確認を行い、2人を道交法違反(安全運転義務違反)容疑で、事故後に自殺した男性1人を被疑者死亡のまま、業務上過失致死と道路交通法違反(救護義務違反)容疑で書類送検した。

静岡県警・高速隊によると、問題の事故が起きたのは3月26日の午前1時50分ごろ。

焼津市坂本付近の東名高速下り線を走行していた大型トラックの運転手から「焼津インターチェンジの手前あたりで、前方を走っていた観光バスから人が路上に落ちた」との110番通報が寄せられた。

警察が現場に急行したところ、路上には複数台のクルマにはねられたとみられる女児が片側3車線中の中央車線(第2車線)に倒れており、すでに死亡していた。

後の調べで、女児が転落直後に現場付近に差しかかり、女児をはねたクルマが3台あったことが目撃証言によって判明。先頭を走行して最初に女児をひいたのは埼玉県狭山市内に在住する41歳の男性が運転するトラックということもわかった。

このトラックを運転していた男性に対しては3月29日に任意での聴取を実施。男性はその際に「何かを踏んだような認識は持っていたが、人とは思わなかった」と供述。聴取は翌日にも予定されていたが、男性は山梨県富士河口湖町内で焼身自殺している。

残る2人については人をひいたり、何かを踏んだという認識すらないことが聴取の結果、明らかになっている。

女児の死亡原因はバスから転落した際に全身を強打した多発性損傷とされている。

転落直後に死亡したという医師の所見もあったが、警察ではトラックにはねられたときには女児は生存していた可能性もあったとして、自殺した男性を被疑者死亡のまま業務上過失致死と道交法違反(救護義務違反)で書類送検。残る2人についても道交法違反(安全運転義務違反)で書類送検した。

なお、今回の事故発生責任の追及では「転落直後に女児は生存していた」という仮定がなされているが、司法解剖の段階で「転落直後に蘇生活動を行ったとしても生存する可能性は低い損傷だった」と医師が判断している。

《石田真一》

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