警察官のオービス実地実験、違反として処理

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2004年6月、千葉県警・交通機動隊に所属し、隊長職にあった59歳の警視が、オービス(速度違反自動取締機)の性能を試すという目的で、バイクを使って故意に速度超過違反を行った。

この事件について、検察庁・市川区検は11日、警視に対して道路交通法違反の罪で罰金7万円の略式命令を行った。警視は全額を即日で納付している。

検察庁・市川区検によると、問題の事件が起きたのは2004年6月14日の深夜。

この日、千葉県警・交通機動隊の隊長職にあった59歳の警視が「著しい速度超過違反を行ったバイクがオービスでどのように撮影されるのか」を調べるという目的で、自己所有のバイクを使って千葉県市川市塩浜付近の国道357号線で故意による速度違反を行った。

警視は実験前に「これから塩浜で実験するから」などと、オービスの動作を遠隔監視している部下に対して連絡。その直後にオービスが設置されたポイント付近を110km/h(制限速度は60km/h)で走り抜けていた。

オービスは速度超過した警視のバイクを撮影していたが、テスト名目だったために違反処理はなされないままだった。

2004年8月に千葉県警・交通部に対して「警視が職権を乱用して速度超過を行った」という内容の告発をきっかけに捜査を開始。

実験の実施が交通部に報告されておらず、極めて私的に行われたと判断。この警視を道路交通法違反(速度超過)容疑で書類送検していた。警視はその後、免許本部に異動、現在は執行課長の職にある。

捜査を行った県警では、警視の違反行為を認めつつも「職務の熱心さから生じたのは間違いない」と判断。地検でも「速度違反を行うバイクをオービスで取り締まるための方法を研究する目的とする走行だったことは否定できない」とした。

ただし、速度違反そのものについては別問題と判断。実験についても「他に取り得る手段があり、交通部に報告しないで公道での実験を実施するなど、一般車への危険防止措置も講じられていなかった」と認め、警視に対して罰金7万円の略式命令を出した。

《石田真一》

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