パトカーへの体当たりは「恐怖が大きい」、警官の発砲は「正当」

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車上荒らしを行った容疑で警察に追跡されていた男が、逃走中にパトカーへ体当たりするなどして抵抗したとして、窃盗や公務執行妨害の罪に問われた28歳の男に対する判決公判が11日、奈良地裁で行われた。裁判所は懲役6年の実刑判決を命じた。

問題の事件は2003年9月10日に発生している。

同日の午後5時20分ごろ、奈良県橿原市内のパチンコ店駐車場に駐車中の乗用車から現金10万円入りの封筒を盗むなどの車上荒らし犯行を行ったとして、橿原署や自動車警ら隊、機動捜査隊のパトカーに追跡されていた男2人が大和郡山市下三橋町付近の国道24号線で進路を阻止された。

男たちの乗ったクルマは複数の警官に包囲されたが、男たちは投降を呼びかけながら接近してくる警官に対し、クルマを急発進させるような素振りを見せ、逃走を阻止している捜査車両に体当たりも行ったため、周囲にいた警官3人が拳銃を使用、運転席周辺に合計8発を撃ち込んだ。

弾丸の3発が容疑者2人の首などにあたり、容疑者のうち助手席にいた28歳の男が後に死亡、運転席にいた26歳(当時)の男も重傷を負った。男は後に窃盗や公務執行妨害の罪で起訴。死亡した男も被疑者死亡のまま書類送検されている。

11日に行われた判決公判で、奈良地裁の奥田哲也裁判長は「逃走途中の運転は極めて危険で、周囲に与えた恐怖は大きい」と指摘。これまでの公判で検察側が主張してきた「警察官や一般市民の身体生命に一瞥もしない、自己中心性・反社会性が表れた犯行だった」ということを容認した。

その上で警察官の拳銃発砲についても「過剰な対応ではなかった」と容認。被告に対して懲役6年の実刑を言い渡した。

《石田真一》

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