盗難車で事故の容疑者に発砲、流れ弾が通行人に命中

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13日未明、北海道札幌市中央区内の市道で、盗難車を運転中に事故を起こした男の身柄を確保しようとした警官が格闘中に刃物で刺され、命の危険を感じたために拳銃で2発を発砲した。

このうち1発が容疑者の体を貫通、無関係の通行人に命中した。撃たれた容疑者と通行人の男性がともに重傷を負っている。

北海道警・機動捜査隊、同・(札幌)中央署によると、事件が起きたのは13日の午前1時20分ごろ。

これに先立つ同日の午前1時10分ごろ、札幌市中央区南3条西3丁目付近の国道36号線で、機動捜査隊のパトカーに追跡されていた盗難手配中のRVが信号待ちをしていた軽自動車に追突した。

運転していた男はクルマを捨て、その場から走って逃走。パトカーから23歳の巡査が降車し、男の後を追いかけた。

巡査は事故現場から約400m離れた札幌市中央区南1条西1丁目付近で男に追いつき、身柄を確保しようとしたが、近くの駐車場で格闘状態になった。この際、男は隠し持っていた包丁(刃渡り約18cm)で巡査の腹を4回刺している。

巡査は防刃衣を着用していたこともあって軽傷で済んだが、この直後に男が信号待ちをしていたクルマに駆け寄り、ドアを開けて強奪する構えを見せたため、自らや市民の命に危険が及ぶと判断。「止まらないと撃つぞ」と警告後、男に向かい、二度に渡って拳銃を直接発砲した。

このうち2回目に発砲した弾が男に命中したが、そのまま男の体を貫通。約10m後方を歩いていた男性の右大腿部にも命中してしまった。

巡査はこれに気づかずに男を追跡。身柄を確保した後に倒れている男性を発見。流れ弾が命中していたことが判明したという。

一連の追跡で、追突された軽自動車に乗っていた20歳の女性が打撲などの軽傷。流れ弾を受けた22歳の男性が右大腿部骨折の重傷を。30歳の容疑者も左肩の骨を折る重傷を負った。巡査は防刃衣によって切創は免れたが、刃物を受けた衝撃で打撲などの軽傷を負った。

警察では容疑者の男を殺人未遂の現行犯で逮捕したが、後の尿検査で覚せい剤の成分も検出。覚せい剤取締法違反(使用)の容疑でも調べを進めている。

今回の発砲について、警察では「拳銃の発砲は凶悪犯を逮捕するためのもで、適正・妥当な使用と判断しています。しかしながら、負傷された被害者には大変申し訳ないと思っています」とコメントしている。

北海道警の警察官が容疑者に向かって発砲したのは2003年4月以来となるが、このときは上空への威嚇発砲に留まり、容疑者への直接発砲は今回が初めてだという。

《石田真一》

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