ダイムラークライスラーは、監査役会が経営首脳陣のトップ人事を決議したと発表した。ユルゲン・シュレンプ会長(60)は2005年12月31日付けで退任する。
後任としてクライスラーグループ社長兼CEOのディーター・ツェッチェ氏(52)が会長に就任する。任期は5年間。
シュレンプ会長は、南アフリカ、米国、ドイツなど、主にダイムラーベンツで経営手腕を発揮してきた。1988年から1995年まではダイムラー・ベンツ・エアロスペースの会長、その後から現在までダイムラークライスラ−のトップを務めてきた。しかし、リーダーシップを発揮してきた三菱自動車との資本提携は失敗し、メルセデスベンツの販売も低迷しているため、経営責任をとって2008年までの予定だった任期を途中退任する。
また、クライスラーグループの最高業務責任者のトム・ラソーダ(51)氏を来年1月1日付けでクライスラーグループの会長兼CEOに、エリック・リドゥノア(47)氏をクライスラーグループの最高業務責任者に就任する。
ヒルマー・コッパー監査役会長は「監査役会とシュレンプは2005年末の経営陣交代が最適な時期であると認識、全会一致でトップ人事を承認した」としている。
シュレンプ会長は昨年の三菱自動車の経営再建支援を最後まで固執していたが、ツェッチェ氏らに反対されたと、されている。
今回のトップ人事で、三菱自動車の株式をダイムラーが手放すとの観測が強まっている。