多賀城泥酔事故、被告は「危険運転罪に該当せず」と主張

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今年5月、宮城県多賀城市内で泥酔した男の運転するRVが、国道を横断中の高校生を次々とはね、3人が死亡、20人以上が重軽傷を負った事故の初公判が9日、仙台地裁で開かれた。危険運転致死傷罪で起訴された被告の男は「泥酔状態ではない」と主張している。

問題の事故は5月22日の午前4時15分ごろ、多賀城市八幡1丁目付近の国道45号線で発生している。左折待ちをしていた乗用車に赤信号を無視して進行してきた泥酔運転のRVが衝突。乗用車を押し出すようにして前方の横断歩道に突っ込み、横断していた高校生を次々にはね。27人が死傷した。

RVを運転していた26歳の男は事故直前まで約7時間に渡って飲酒。自分が泥酔状態であることを認識しながらも、一緒に酒を飲んでいた男を家まで送るためにクルマを運転。走行を始めた直後から断続的な居眠り状態に陥り、結果として事故を起こしたとして、危険運転致死傷罪で起訴されていた。

9日の初公判で行われた起訴事実の認否で、被告の男は「当時は泥酔状態ではなく、慎重に運転していた。酒は飲んでいたが運転が困難な状態ではなかった。危険運転かどうかよくわからない」などと主張。危険運転罪適用については否認した。弁護側も「被告には酒の影響で運転が困難という認識がなかったので、故意犯である危険運転罪には当たらない」と主張している。

弁護側は冒頭陳述で「被告は代行運転を頼もうとしたが金が無く、事故当日が日曜日の朝で警察の取り締まりが少ないと考え、飲酒運転を行った」と指摘した。さらには法廷内に設置した大型スクリーンに、被告の運転がいかに危険なものだったのかを再現した映像も合わせて公開している。これは導入が決まった裁判員制度を考慮したもので、複雑な事件であってもわかりやすく説明するために試行導入されたという。

《石田真一》

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