【日産マーチ・マイナーチェンジ詳報】その2 12SR、スゴさの秘密を大公開

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【日産マーチ・マイナーチェンジ詳報】その2 12SR、スゴさの秘密を大公開
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「(単純な)速さを主軸としたスポーツ性を狙ってはいません」と、中島繁治さんはキッパリといい切った。彼はオーテックジャパン実験部・車両実験グループで走行評価を総括している。

今回の開発のほとんどはシャーシ性能アップに費やされたという。「筑波サーキットで1分14秒台を目指しました」と設定目標はかなり高い。「(BS製ポテンザRE-01Rに見合う)車体剛性アップに向けて、日産自動車のスーパーコンピューターでの構造解析情報を開示してもらい、走りこみと作りこみを進めました。コントロール性とハンドリングを楽しくする性能を高めるには、きっちりとしたスタビリティが必然です。それがワタシのポリシーです」とキッパリ。プレス資料には単に、フロアメンバの追加/テールゲイトまわりの補強実施/ストラットタワーバーと明記されているが、開発の中身は相当濃いのだ。

そしてサスチューンが始まった。「コーナーリング時の(タイヤの)路面接地形状をどう整えていくか。それには(リアサスの)トーションビームのねじり剛性を上げて、キャンバー角を見直しました。ネガティブキャンバーで0.8〜1.5度です。フロントサスも(リアに対応して)手を加えました。スタビについてはマーチでの限界寸法フロントΦ20、リアΦ22を採用しました」と胸を張る。

そしてエンジン。「狙いは(ただ単純に)スーとよく回ることではありません。積極的にシフトして、攻めて攻めていく高揚感を狙っています。高回転型にはショートストロークでクランクシャフトの剛性が相対的に高い1.2リッターがいい。ピストンの専用化、圧縮比の変更、カムプロフィールを全面的に変更、吸排気系を太くするなどしたのが先代エンジン。今回はさらにポート研磨、エキマニ改良、吸気排気系の形状見直しなどを行ないました」

またマフラーのアレンジもいい。マフラー本体内構造で高周波の汚い音を削除。ボンネット、ダッシュボードのインシュレーターの効果も大きい。「加速感に沿わないコモリは削除しました。エンジンの回っている感じをリニアに表現しています」と中島さん。12SR開発のすべては“気持ちイイ速さ”に集約されているのだ。(つづく)

《桃田健史》

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