今年4月、宮城県仙台市青葉区内のアーケード街でトラックが暴走し、歩行者7人が死傷した事件について、検察庁・仙台地検は2日、容疑者として逮捕されていた31歳の男を殺人と殺人未遂の罪で起訴した。
問題の事故は今年4月2日の午前9時5分ごろに発生している。仙台市青葉区中央付近の歩行者専用アーケードに4トントラックが侵入。40−50km/hの速度で約550mに渡って暴走し、アーケード入口付近で道路を横断していた人を含めて歩行者7人を次々にはねた。このうち3人が死亡、4人が重軽傷を負っており、トラックを運転していた男は業務上過失致死傷などの容疑で逮捕されていた。
男は逮捕直後から「お告げがあった」などいう供述を行っており、検察では男の責任能力を含めて慎重に捜査を続けてきた。だが、「幻聴が生じていたと認められるが、幻聴が男の行動を支配するほどではなかった」という精神鑑定の結果が出たため、これを受けた検察は刑事責任が問えると判断。
アーケード内には故意に侵入し、途中でブレーキを踏むこともなかったと状況証拠から確認できることから、過失ではなく故意として、アーケード内で死傷した4人の事故については業務上過失致死傷ではなく、殺人と殺人未遂罪で起訴することを決めた。アーケード入口付近で発生した3人死傷の案件については、ブレーキ痕も確認できることから、この件とは別に起訴することを検討している。