日野自動車は、スウェーデン・スカニア社の大型セミトラクターのOEM(相手先ブランドによる生産)供給車「日野スカニア」シリーズをフルモデルチェンジし、新短期排出ガス規制および超低PM排出ディーゼル車認定制度85%低減レベル(4ツ星)適合車として21日から発売開始した。
今回発売した新型車には、キャブ内空間の拡大でドライバーの居住性を向上させた「ハイルーフキャブ車」も新規設定した。
新型トラクターは、スカニア社が欧州を中心に販売する『Rシリーズ』をベースにしたOEM車。ベース車両のRシリーズは、商用車にとって欧州最高の栄誉である「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2005」を受賞した。
経済性の面では、環境性能を向上させながらも、新エンジンや電子制御セミオートマチックトランスミッション「オプティクルーズ」などにより従来通りの低燃費性能を確保し、CO2排出量の低減と燃料費低減の両立を図った。また、電子制御回路の設計変更による製品の信頼性向上とメンテナンスの容易化を実現し、メンテナンス費用・修理費用の低減も図った。
安全性では「電子制御式ABS」「流体式リターダー」「排気ブレーキ」の3つの制動機能を電子制御で連動させる「統合ブレーキシステム」の新規標準装備によって制動性能を向上した。また、車両の進行方向、車速、ホイールスピンの有無などをコンピューターが常に検知し、適切なブレーキの作動により、車両の不安定走行を抑制する電子制御式車両安定性制御プログラムESPをオプション設定した。
キャブフロアのフラット化によりドライバーの移動を容易にしたことに加え、室内の各種レバーやボタンを人間工学に基づいた操作しやすい配置とすることで長距離運行ドライバーの疲労軽減に寄与するなど快適性の向上も図った。
価格は型式「PK-SHD1EBG」で汎用/標準キャブ12T/Mセミオートマチック、カプラー地上高1210mm仕様が1459万5000円。