東京モーターショー、スズキの参考出品車『IONIS』(イオニス)は、パワーユニットに燃料電池とモーターを搭載した軽自動車。省資源・省エネルギー・省スペースに優れた軽自動車に燃料電池を搭載することで、今後の社会的要求に一つの回答を示す。
「ステアリングバイワイヤ、ブレーキバイワイヤ等により、室内レイアウトの自由度が広がり、運転席を含む多彩なシートレイアウトが可能です。これにより後席の居住性も大幅に向上しています」と商品企画部の藤井晴美さん。
グリルやボディサイドの造形については「燃料電池車が排出する“水”の波紋をイメージしました。車体色も光によって、そのイメージを変えるんですよ」とデザイン部カラーグループの鈴木正哉デザイナーが解説してくれた。
軽自動車サイズながら立体感の強いアグレッシブなボディデザイン、そして“次世代の知的なシニア”をターゲットに、黒檀や本革を多用し大人のムードを演出したインテリアデザインが、今までの燃料電池車のコンセプトカーにありがちだった“明るい優等生”というイメージに対して、一歩進んだ世界観を示している。
また武蔵野美術大学との産学共同プロジェクトにより生み出された、近未来インパネグラフィックスも、面白い試みだろう。