ローンを払わないとクルマが動かなくなる?!

自動車 社会 社会

このところアメリカのユーズドカーディーラーの間でポピュラーになりつつある、「スターター・インタラプト・ユニット」と呼ばれるデバイスがある。ダッシュボードに取り付けられたブラックボックスで、ローン支払い期日を過ぎるとランプが点滅し、4日たっても支払いがないとクルマがスタートさせられなくなるという機械だ。

主にクレジット歴の悪い人が利用する中古車ディーラーで使われているものだが、今後こうしたシステムが新車メーカーによってつけられる可能性もあるという。たとえばGMのオンスターは非常時に自動的に警察に通報するといった機能を持っているが、それをエンジンストップに流用することは技術的には簡単だ。

現在スターター・インタラプト・ユニットを作っている会社は4、5社あるが、そのうちのひとつ、カリフォルニア州のオンタイム社では、1999年の創業以来受注が4割増えているという。同社ではスターター・インタラプト・ユニットとGPSを合わせて設置するシステムも販売しており、これはユーズドでも価格が2万ドルを超えるラグジュアリーカーに搭載され、エンジンをストップさせるだけではなく、支払いがない場合ただちにクルマを回収できる。

現在こうしたデバイスをつけて販売されるユーズドカーは全体の15%に達しており、新車にもこうしたデバイス設置が行われるのは時間の問題だという。デバイス設置を受け入れたユーザーには通常より低い金利が設定されるなどの利点もあるが、常に見張られているような気分でクルマに乗るのはなんとも剣呑なもの。

自社でクレジットも扱うユーズドカーディーラーは全体の54%で、販売全体の4割が支払いの遅れや滞りを経験しているという。デバイスによりその率が劇的に減少したという声もあるが、果たしてこのデバイスがすべてのクレジット歴の悪いユーザーに適用される時代は来るのだろうか。

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型センチュリーは2ドアに、レクサス『LS』は6輪ミニバンに大変身…土曜ニュースランキング
  2. 大人の秘密基地のキャンピングカー提案、「TRIP BLACK EDITION」出展へ…ジャパンモビリティショー2025
  3. 【ホンダ ADV160 試乗】彩りとわくわく感あふれる「アドベンチャー」スクーター…伊丹孝裕
  4. 【ダイハツ ムーヴキャンバス 新型試乗】「ワゴンRスマイル」と双璧をなす“癒し軽”…島崎七生人
  5. 日産『ムラーノ』、「プロパイロット」搭載でハンズフリー運転が可能に…米2026年モデル
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る