フィアットの創業家出身で、同社ブランド・マーケティング部長のラポ・エルカーンが10日、トリノの病院に緊急入院した。原因はコカインと思われる麻薬の大量投与だった。
ラポは9日日曜日深夜、外国人を含む数名と市内の知人宅に集まっていた。しかし月曜朝になって、彼が呼吸困難を起こし始めたため、救急車で病院に搬送された。一時は昏睡状態に陥り、両親と妹が病院に駆けつける騒ぎとなったが、病院によると現在は回復傾向にあるという。
ラポがどのような経緯で麻薬中毒に至ったか、また入手ルートについて、すでに当局による捜査が開始されている。
ラポ・エルカーンは1977年生まれ。母は故ジョバンニ・アニェッリ名誉会長の長女マルゲリータ。父は作家のアラン・エルカーン(のちに離婚)。
98年フィアットに入社し、昨年9月から現職。戦前のFIATロゴを用いたアパレル・コレクションをヒットさせるなど、近年のフィアット・ブランド復興の牽引役を務めていた。1歳違いの兄ジョンは、フィアットの副会長を務めている。