日産の4ドアクーペコンセプト『FORIA』(フォーリア)の全体の造形やフィニッシュは見事で、宝飾品をイメージしたというきらめきのあるヘッドランプやリアコンビネーションランプ、指輪のリング部のような鏡面とサンドのコンビネーションを持つアルミムク材のモール類など、細かいデコレーションが華やかさを演出する。
インテリアのテーマは上質さ。「皮革と金属の留め鋲が一体となっている馬の鞍にインスパイアされた」(佐藤氏)というレザートリムは、まさしく鞍風の鋲止めレザー。色合いもダークブラウンで、シックなムードを漂わせる。メーター類はレトロなデザインのアナログだが、単なる懐古趣味ではなく、銀塩カメラの名機のような精緻感を持たせている。
走りのほうも、決してハイパワーではないがレスポンスに優れたNAエンジンと、最新の4輪操舵システム「4輪アクティブステア」、ステアリングシフトATなどにより、ワインディングを小気味よく駆け抜けられるだけの性能を持つ。まさに大人の悦楽を追求したパーソナルクーペと言えるだろう。