トヨタ系企業が車載ECUの仮想化推進組織を発足

自動車 ニューモデル 新型車
トヨタ系企業が車載ECUの仮想化推進組織を発足
トヨタ系企業が車載ECUの仮想化推進組織を発足 全 2 枚 拡大写真
豊通エレクトロニクスは16日、車載電子コンポーネント「ECU(Electric Control Unit:電子制御ユニット)」を仮想化して開発するソリューションを提供する組織「Virtual ECU Club」を発足し、そこにガイア・システム・ソリューション、富士通テン、トヨタテクノサービスの3社が参画することに合意した。

現在、自動車の電子制御下の進歩とともに、「走る・曲がる・止まる」という基本機能制御を行うECUの複雑化しており、最新型自動車には1台につき70個以上のECUが搭載されている。このため開発現場では、稼働確認のために膨大なテスト期間が必要になり、そのコストをいかに削減するかが大きな課題となっている。

そこで、豊通エレクトロニクスが中心になって、コンピュータ上で信頼性の高いECUのソフトウェア設計を可能にし、設計期間の短縮とコストの低減を実現するための開発環境を提供する組織を発足させたわけだ。

同組織が開発環境のツールとして提供する第一弾は、米国VaST Systems Technology社(販売:ガイア・システム・ソリューション)の超高速シミュレータと富士通テンのリアルタイム・シミュレータ。話しによると、それらは遠隔地からのリモートによるソフトウエア開発やハードウェアが設計されていない段階からでのソフトウェア開発も可能になるので、コストや最終製品の市場投入期間を大幅に削減できるとのことだ。

「欧州の携帯端末会社では、通常14カ月かかる開発期間が、このツールを使うことによって6−9カ月前倒しできました」とガイア・システム・ソリューション関係者。

いまや製品開発もバーチャルで行う時代になり、同組織では次世代車載LAN「FlexRay」用の仮想開発環境も共同開発していく計画だ。トヨタ系企業が組織を作ってその分野に力を入れ始めたことで、これからさらにトヨタは強くなりそうだ。ガイア関係者は「トヨタをはじめとしたトヨタグループのコスト削減努力には驚かされる」とポツリと語った。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  5. 【ホンダ プレリュード 新型試乗】タイプRのシャシー技術で「剛性重視」の走りと思いきや…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る