マイナーチェンジを行なった『クラウン』の目玉は、アスリートの3.5リッターエンジンだが、そのほかにも見どころは多い。2.5リッターのV6エンジンは5速ATから6速ATに進化しており、これで2WD車は全車が6速ATとなった。
外観に関しては大きな変更点はないが、ロイヤルシリーズではグリルやヘッドランプ、リヤコンビランプのデザインが変更になっている。アスリートシリーズでは新デザインのフロントバンパー&グリルを採用し、スモーク調ヘッドランプやリヤコンビランプを採用するといった変更が加えられている。
クラウンの車両開発を担当したトヨタ自動車 第一車両性能開発部杉本善孝さんは「外観に関してはバランスが取れており、大きな改良は必要ないと判断しました。その代わりにロイヤルもアスリートも電動パワステの制御をブラッシュアップすることで、よりリニアリティのあるハンドリングを実現しています」とコメント。
確かにロイヤルサルーンに乗ってみると、電動パワステのフィーリングが改善されていることがわかる。ステアリングを切り始めから、的確に手ごたえを発生させ、操舵量に応じて正確にタイヤを曲げている感じがわかる。その結果、今までは多少ゆるく感じられたハンドリングにリニアリティが増している。
ハンドリングにリニアリティが増すことで、フットワークにも落ち着きが増したように感じられた。2.5リッターに組み合わされた6速ATも、シフトビジーな感じはなく、的確なシフトワークを行なっていた。2.5リットルのロイヤルサルーンの走りも、デビューしたときに比べると、今回のマイナーチェンジで大幅に洗練された気がする。(つづく)