モバイル長崎スマートカード誕生に見る、公共交通の課題と進化

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モバイル長崎スマートカード誕生に見る、公共交通の課題と進化
モバイル長崎スマートカード誕生に見る、公共交通の課題と進化 全 7 枚 拡大写真

●バス事業者の利便性向上で乗客減少に歯止めをかける

このような競争背景にあり、事業者同士の競合地域はあっても「バスの利便性を向上することが急務」(中塚氏)になった。その第一弾として本土5社で紙の回数券を共通化し、異なるバス事業者での乗り継ぎでも支払いの不便がなくなるようにした。そして2002年1月に非接触IC「FeliCa」を使ったカード型の長崎スマートカードが誕生した。

「今のところ長崎スマートカードによって利用客が増加するという段階まではきていませんが、利用率で6割を超えていますので、利便性は(お客様に)受け入れられていると考えています。

一方、導入の大きなメリットとしては、各社の(事業者間)精算のコスト削減効果が上げられます。我々は磁気式プリペイドカードを採用せず、紙の回数券からFeliCa(の電子精算システム)に移行したという事情もあるのですが、以前と比べて管理費は大きく下がっています」(中塚氏)

2002年当時は、FeliCaカードにしても普及初期の段階だが、山梨県の山梨交通などがFeliCaを導入しており、その利便性の高さや将来性に注目していたという。またバス事業の事情として、「磁気式ではなく、非接触IC型の場合だと、国交省から先端事業の取り組みとして補助金が受けやすかった」(高崎氏)という理由もあった。

「他にも(FeliCaカードの)メリットとして、カードが繰り返し使えるという点があります。磁気式プリペイドカードは単価は安いですが、使い捨てで長期的にカード原価がコストとしてかかる。一方、FeliCaカードは磁気式と比べると高価なのですが、お客様が使い続けてくれれば(カード1枚あたりの原価が)コスト負担が少なくてすむと考えました。環境にもいいですしね」(中塚氏)

●長崎県内の激しい公共交通競争
●バス事業者の利便性向上で乗客減少に歯止めをかける
●おサイフケータイ採用の動機は「利便性向上」と「コスト削減」
●モバイル長崎スマートカードの今後

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《神尾寿》

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