【D視点】トヨタ エスティマ…伝統の最先端は離陸する?

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【D視点】トヨタ エスティマ…伝統の最先端は離陸する?
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  ドリームカー、セクシーサルーン

1990年の夏、カリフォルニアで見た発表直後の初代『エスティマ』の印象は強烈だった。放物線的なサイドビューと、3次元にラウンドした滑らかなボディラインは輝く太陽の下で強烈な存在感を放ち、周囲のクルマたちが一気に古臭く見えてしまった。

まさにドリームカーであった。デザイン開発はCALTY DESIGN RESEARCH INC.(キャルティ。カリフォルニアにあるトヨタの現地法人)が担当したアメリカ発のニッポンデザインだったのである。

私は今回のモデルチェンジで3代目になる新型エスティマを見て正直驚いた。造形についてはお世辞抜きで素晴らしい質の高さを達成している。しかし同時にデザインの方向には漠然とした不安を感じた……。ということで、まずはエクステリアから検討を加えよう。

デザイン開発に当たっては、大工道具のかんなや箸に代表される日本独自の簡略化された「機能美」をテーマにしたとのこと。確かに吟味された面の抑揚と簡潔なライン取りによる造形の強さに、私は素直に「日本の美」を感じることができる。

第一印象をキーワードでまとめると、「ワンモーションフォルムのニッポン的セクシーサルーン」である。

おおげさでない面の抑揚や、ルーフラインおよびキャラクターラインに、日本刀のカーブや浮世絵の清長が描く日本女性のシルエットが感じられる。このあたりがドキドキするほど官能的なのだ。クルマとしてかっこいいかどうかは別として、今まで感じたことが無いニッポン的な美しさを造形に感じた。

D視点:デザインの視点
筆者:荒川健(あらかわ・けん)---1949年生まれ、多摩美大卒。三菱自動車で『MT90X』、マツダでユーノス『プレッソ』や同『500』のチーフデザイナーを歴任。1995年独立し、デザインフォースアソシエイションを主宰。大手自動車メーカーのモーターショー出品コンセプトカー、韓国、中国メーカーの量産車デザインを手掛ける。現在パソコンテレビGyaOの『久米宏のCAR TOUCH!!』にデザインの指南役として出演中。

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《荒川健》

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