【新年インタビュー】なぜウィルコムは車載市場に注力できるのか?

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【新年インタビュー】なぜウィルコムは車載市場に注力できるのか?
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ウィルコムの中でのクルマ市場

---ウィルコムのビジネスにおける自動車市場のウェイトというのは、どれだけあるのでしょうか。

瀧澤 携帯電話キャリアのビジネスでは「個人・音声」市場の占めるウェイトが大きく、サービスや端末はコンシューマー向けが中心になっています。一方でウィルコムは、実は法人顧客が多いのですよ。個人市場というのは、ある程度まとまったニーズに対してパッケージ化されたサービスを投入するのですが、法人市場では様々なニーズにあわせた個別対応を求められます。キャリアは、それにあわせたサービスを用意しなければならない。例えば今回のインターナビ向けのサービスでは、ホンダさんの求める「クルマ向け」のニーズに端末とサービスの両面で応えました。

---つまり、自動車市場も、自動車メーカーと提携するという意味で「法人市場のひとつ」であるという認識ですか。

瀧澤 法人市場の中でも、大きくて重要なセグメントですね。ホンダさんが好例ですが、自動車メーカーのようにはっきりしたニーズを持たれている分野の方が、我々は動きやすい。早く、安く、求められるニーズにかなったサービスを提案できるのが、ウィルコムの(携帯電話キャリアに対する)差別化要因だと考えています。

---なるほど。しかし、車載器向けの通信市場は、テレマティクスが普及し始めたとはいえ、まだ小さいのではないでしょうか。

荒木 確かにそういう見方もできますが、そこに携帯電話キャリアとウィルコムの違いがあります。例えばですね、既存のテレマティクス市場は合計しても60−70万契約分しかないわけですね。携帯電話キャリアからこの市場規模を見た場合、(携帯電話の累計契約者数)8000万契約と比較しての60万−70万しかないのですよ。これから成長が期待できるとしても、現段階で8000万の携帯電話市場と、60−70万のクルマ向け市場のどちらを重視し、優先するか。彼らからすればリソース全体の1%以上の力は(クルマ向けに)使えない、のですよ。

一方でウィルコムの契約数は現在400万です。つまり、我々は、400万契約から現在の60−70万というクルマ向け市場を見ている。さらに今後の成長分に対しても、判断の母数が400万から見てなんですね。

---成長が期待できるが初期市場が小さい分野に対して、最も参入しやすいのは既存顧客の少ないプレーヤーである。これは「破壊的イノベーションの法則」でクリステンセンが提唱し、その正しさが証明されてきた理論です。

その観点に立つと、コンシューマー市場を中心に規模の大きくなった携帯電話キャリアより、ウィルコムの規模の方が自動車市場のニーズにフットワークよく応えることができるとも言えそうです。実際、携帯電話キャリアは自動車市場のニーズに、これまで手際よく応えてきたとは言えない一面もありますから。

“つながるクルマ”本命インフラ議論
詳細
申し込み
日時
2006年2月6日(月)
午前10時30分−午後6時
会場
東京コンファレンスセンター品川
公開ディスカッション
日産自動車 先行車両開発本部IT&ITS開発部 主管
福島正夫 氏
本田技研工業 インターナビ推進室 室長
今井武 氏
ウィルコム 執行役員 ソリューション営業本部長
瀧澤隆 氏
ITS事業企画 取締役社長
小池建四郎 氏
通信・ITSジャーナリスト
神尾寿 氏
おかげさまで好評に付き、現在、椅子席のみの受付となっております。
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《神尾寿》

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