アカデミー賞をめぐりプロデューサーが“衝突”

モータースポーツ/エンタメ エンタメ・イベント

5日はアカデミー賞授賞式。しかし近年の映画製作の複雑化に伴い、その授賞式を前にこんなハプニングが登場した。

最優秀映画賞の候補にも挙がっている『クラッシュ』の製作陣の一部が、アカデミーを相手取り、映画の「プロデューサー」に自分たちの名前が挙げられていないことを理由に訴訟を起こしたのだ。

『クラッシュ』は、人種のるつぼであるロサンゼルスで、クルマの事故をきっかけに全く異なる背景、人種の人々の人生が交錯するというストーリー。エリートの白人弁護士、人種差別主義者の警察官、失業者の黒人、自分の身を守るために銃をクルマに積んでいるイラン人。彼らを巡る2日間が描かれている。

訴えを起こしたのはボブ・ヤリ氏で、クルマ関係のパートなど、多くを自分の会社が手がけているのに、アカデミーと「プロデューサー」に名指しされた人々が自分の名前をプロデューサーの一部として挙げることを拒絶した、というのが訴訟の大筋。しかしそのヤリ氏自身、以前のビジネスパートナーで映画製作に関わった2人から、『クラッシュ』の製作ギャラ約200万ドルが未払いである、と訴えられている。

こうした訴訟は、映画の制作費が高額となり、プロデューサーの数が増えていることから近年増加の傾向にあり、アカデミー芸術科学協会にとっても負担になりつつある。プロデュース側としてはオスカーに名前が挙げられることで営業もスムースになるが、アカデミーがプロデューサーと認めるのは3人までとされているためだ。昨年のアカデミー賞でも、『アビエーター』、『ミリオンダラーベイビー』のプロデューサーの一部が、アカデミーが名前を挙げなかったことへの怒りを爆発させている。

『クラッシュ』そのものはクルマの接触事故、という日常的な出来事から人種問題や社会問題に発展させる、なかなか良い出来の映画だっただけに、このようなゴタゴタが起こるのはちょっと残念だ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  2. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  3. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  4. BYDが新型PHEVワゴンを欧州初公開、エンジン併用で航続1300km以上…IAAモビリティ2025
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る