トヨタ自動車の木下光男副社長は16日、前日決着した春闘交渉で回答した1人当たり1000円の「賃金制度改善分」について、現行の賃金制度のひずみを是正する原資とするもので、「ベースアップという認識はもっていない」と述べた。
木下副社長は是正が必要なケースについて、採用から数年経過した中途採用の社員などを例示した。また木下副社長は「過去4年間ベアを実施してこなかったということで、賃金制度(のひずみ)を是正する原資も少なくなっていた」と説明、今春闘で回答した1000円を充てる考えを述べた。このため、賃金体系の底上げにつながるベアとは1線を画したものと位置づけた。