【AutoStanding】インポーターとディーラー、思惑に“ズレ”?

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インポーターによる顧客への直接アプローチ

来月の4月23日にシトロエンが大磯プリンスホテルにて試乗会を行う。日本で展開するフルラインアップを用意すると共に、東京モーターショーに出展した『C6』を展示する。また、試乗記念としてフランスの高級洋菓子プレゼントやオフィシャルグッズを販売するなど様々な企画を催し、イベント化している。

昨年の夏ごろから輸入車メーカー各社の試乗会が活発化している。BMW、VW、アウディなどでもフルラインアップに試乗できる店頭キャンペーンを随時実施している。

また期間限定のキャンペーンでは、単に試乗するだけでなく、会場をレーシングコースや郊外の休暇地に設定したり、夜間ドライブを体験するプラン、2泊3日で試乗車を提供するプランなど、様々なプランを提供している。

これらの試乗会は、テレビ、ラジオ、ウェブなどでの広告宣伝と同じようにインポーターが直接潜在顧客の需要を喚起するために実施した施策である。しかし、他のキャンペーンと異なる[点]は、試乗会の実施にはディーラーの協力が不可欠だということである。

◆インポーターとディーラーで異なる思い

インポーターとディーラーの関係では一部直売はあるものの、基本的にメーカー側がディーラー契約に基づくエリア毎の販売権をディーラーに付与し販売させているケースが一般的である。決してインポーターサイドが一方的にクルマをディーラーへ供給すれば売れる訳ではなく、実際に現場で顧客との関係を構築しているディーラーとの協調が必要となる。

しかし、実際にインポーターとディーラーには以下のようなクルマ販売に関する思いの違いがある。

インポーターの思い
地域軸:日本全国どこでも良いから売れて欲しい
時間軸:長期的に安定して売れて欲しい

ディーラーの思い
地域軸:自分のエリアで売れて欲しい
時間軸:今日売れて欲しい

しかしながら両者間のバランスを上手に保ち、両輪体制で販売を増加させる為に、インポーターはディーラーに歩み寄る必要があるのではないか。なぜならば、各地域ディーラーの実態に即した調整を全国単位で統括し、マネージ出来るのはメーカー以外にはいないからである。

◆WIN-WINの関係にする

例えば、上記に紹介している試乗会についての協調施策は以下の3つが考えられる。

(1)全車種を揃えるための在庫車両の供給……地域毎にインポーターとディーラーで開催する試乗会にフルラインアップを揃えることは、費用面から考えてディーラーにとって厳しいものがある。そこでメーカー側が抱える在庫をディーラーに貸与し、その後、特別な条件でディーラーに売却する方法。

(2)販売フェアに使用する車両への特別インセンティブを付与……すでに実践しているケースがあるかもしれないが、各ディーラーが販売プロモーションに使用する為に購入する車両については特別なインセンティブを設定してディーラーの費用負担を軽減する方法。

(3)輸送費用の軽減……各ディーラーが試乗用に拠出する車両については、輸送費用をメーカー側が何割かを負担する方法。

上記の施策はあくまでもいくつかのアイディアであるが、両者の思惑は販売台数を増加させることで一致している。来店する顧客への売り込みに精力を費やすディーラーと、商品の供給でそれを下支えするインポーターという協調体制の構築は、販売結果に好影響をもたらす。

つまり両者の役割に基づき足りない部分を補完するWIN-WINの関係になれば、共通のゴールである販売台数の増加という結果に到達する可能性は高まるのだ。

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