市販車を並べてユーザーの購買欲を煽るほかに、ステージ上の目立つ場所にコンセプトカーを展示するのはバンコクモーターショーでも同様だ。各メーカーとも、イメージを向上させるコンセプトカーを用意して来場者にアピールしている。
各メーカーのブースを見回してみると、レクサスは『LF-A』、トヨタが『Fine-X』、ホンダが『FCX』や『シビックモデューロコンセプト』、日産は『スポーツコンセプト』、そして三菱がランエボ『MIEV』などを展示していた。
カンの鋭い読者ならお気づきだろうが、これらのモデルはすべて世界各地のモーターショーや東京オートサロンで過去に発表されたモデルで、バンコクモーターショーで初披露というわけではない。
タイには民族系の自動車メーカーがなく外国メーカーの資本による現地工場しかないこと、そして経済的にも自動車文化的にも発展途上なので当然という見方もできる。しかし今後、バンコクモーターショーが各メーカーのコンセプトモデルを初披露する場になれば、世界的にもっと注目を浴びる自動車ショーになるだろう。そのときは、タイの自動車文化も「実用性重視」ではなく人々にとってそれ以上の存在になっているはずだ。