原付バイクへ故意に幅寄せし、転倒事故を誘発させたとして、検察庁・大阪地検は21日、クルマを運転していた23歳の男を危険運転致傷と道路交通法違反の罪で起訴した。当初はこれを煽った同乗者も同罪で起訴する予定だったが、こちらは見送られて起訴猶予処分となっている。
問題の事故は2002年12月15日に泉大津市内の国道26号で発生している。男性2人が乗った原付バイクが歩道の縁石に接触して転倒。2人は路上に転倒した際に頭を強打して重傷を負った。
当初は単独事故とみられたが、目撃情報から1台の乗用車が故意に幅寄せし、走行妨害を行っていたことが判明。2人の男が業務上過失傷害容疑で事情聴取を受けたが、クルマとバイクは接触しておらず、事故との因果関係は薄いとして不起訴処分になっていた。
しかし、被害者の家族が再捜査を求める約1600人分の署名を大阪地検に提出。地検がこれを受けて再捜査を着手。結果として「非接触であってもバイクの転倒を誘発したことは間違いない」と判断。運転していた男に加え、助手席に同乗していた男も合わせて危険運転致傷と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。
だが、助手席に同乗していた男については拘置請求を裁判所が却下。事故への関連性も薄いと最終的に判断して起訴猶予処分に。運転していた男のみが危険運転罪で起訴されることになった。