グッドイヤー『EAGLE LS3000 Hybrid』は、高級セダン向けのラグジュアリータイヤである。先代モデルのEAGLE LS3000の静粛性や乗り心地などコンフォート性能を引き継ぎ、“バイオトレッド”と呼ぶ新開発のトレッドコンパウンドを採用して各種性能をさらに向上させている。
バイオトレッドというのはトウモロコシを原料とするゴム補強材であるバイオ・フィラーを使用したトレッドコンパウンドである。
バイオ・フィラーは分子間の結合が強いが、柔軟性に富むという特徴がある。それゆえ燃費に大きく影響するヒステリシスロスが少なく、路面との密着力が強いという特徴を持っている。このトレッドコンパウンドには撥水シリカや天然ゴムも搭載され、ウエット時のグリップ性能も期待できる。このふたつの材料を使うために“ハイブリッド・コンパウンド”とネーミングが付けられている。
“ハイブリッド・コンピュータ・モデリング”は、これまでのように「ノイズ特性」を解析するだけでなはない。「摩耗エネルギー」と「接地形状」を合わせてモデリングすることができ、短時間に理想のタイヤ形状が追求できるものだ。こうして複数の要素を同時に解析できるためハイブリッド・コンピュータ・モデリングと呼んでいる。
“ハイブリッドデザイン”は構造部分のことだ。ハイブリッド・オーバーレイヤーとハイブリッド・エッジレイヤーによるハイブリッド構造とともに、NVRラバーと呼ぶ特殊防振ゴムをトレッドのベースコンパウンドとして使っている。スチールベルトの上に超高速時の浮き上がり防止のためのレイヤーとコンフォート性能の向上のためのNVRラバーが組み合わさってバイオトレッドの下に配置されているのである。
トレッドパターンはグッドイヤー得意のゲータバックデザインであるが、4本の太いストレートグルーブで排水性を確保し、それぞれのブロックも周方向のスリットは小さくして、荷重が大きいときのブロックの倒れ込みを防ぎ、しっかりしたグリップを確保しようとしている。