直接死因の可能性が高いが…事態が事態で不起訴処分に

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昨年12月、愛知県名古屋市東区内の国道41号で、当て逃げ事故を起こしたクルマの逃走を阻止しようとした男性がこのクルマにひきずられ、さらに別のクルマにはねられた事件について、検察庁・名古屋地検は10日、路上に倒れていた男性をクルマで偶然はねて致命傷を負わせたとされる52歳の男性を嫌疑不十分で不起訴処分とした。

問題の事件は2005年12月18日の午前5時15分ごろ発生している。名古屋市東区白壁付近の国道41号線で、乗用車とトラックが接触する事故が発生。乗用車はその場から逃走しようとしたが、これを目撃した41歳の男性がそれを阻止しようと前方で立ちはだかった。だが、乗用車は男性をそのままはね、さらには約400mに渡ってひきずった。この男性は別のクルマにもはねられ、頭部強打などを原因として収容先の病院で死亡している。

当て逃げ事故を起こして逃走しようとした男には「未必の殺意が生じた」と判断し、検察は殺人罪で起訴した。だが、男性の直接死因は2回目にはねられたことによる外傷だったとも考えられることから、事故を起こしたクルマを運転していた52歳の男性も業務上過失致死などの容疑で書類送検されていた。

検察では慎重に捜査してきたが、現時点では「被害者の死亡と、男性の過失との因果関係が現段階では不明」ということや、死亡した男性が現場の路上に倒れこむきっかけとなったのは、逃走車によるひきずりだったことから、嫌疑不十分で不起訴処分としている。

《石田真一》

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