スバルの新型軽自動車『ステラ』の販売上のライバルは、スズキ『ワゴンR』、ダイハツ『ムーヴ』、ホンダ『ライフ』の軽トールワゴン“御三家”だが、モデルの性格はこれらのモデルとは若干異なる。
近年、地方ではファーストカーとしても使われるようになってきたことを受け、シートを大型化、ハンドリングも操縦安定性と乗り心地の両立を目指して徹底的にチューニングするなど、長距離ドライブもこなす仕立てとなっている。その点、クルマの性格としてはホンダ『ゼスト』、三菱『i』、ダイハツ『ソニカ』などと同様に、長距離ドライブも視野に入れた“プレミアム軽”に属する。
シートはフロント、リアともに、体重を余裕をもって受け止められるよう、座面や背もたれのストロークをきわめて大きく取っている。「シートを大型化すると室内が狭く見えるのではないかという意見もありましたが、上質な乗り心地や長距離対応を考えると、シートの大型化は必然でした」(内装設計部・和田一夫主事)
足回りもベースとなった『R2』がハンドリングを重視してロール剛性を高く取っていたのに対し、「リアサスペンションのストロークを20mm伸ばし、ショックアブゾーバーの伸び側減衰力をR2の63%として、フラット感のある乗り心地としました。実験部門でロングツーリングを想定したドライブを繰り返してみましたが、500km程度のドライブであればそれほど疲労を感じることはないと思います」(シャシー設計部・副島雄治主査)
軽自動車の乗車定員は4人。多人数乗車の機会が少ないユーザーにとって、長距離ドライブにもある程度対応しているステラは大いに狙い目のモデルと言えそうだ。