【三菱ふそう ECOトラック】市街地ユースを想定したシステム制御

自動車 ニューモデル 新型車
【三菱ふそう ECOトラック】市街地ユースを想定したシステム制御
【三菱ふそう ECOトラック】市街地ユースを想定したシステム制御 全 4 枚 拡大写真

三菱ふそうトラック・バスが今夏に発売するハイブリッドトラック『キャンターECO HYBRID』は、多くのパワートレインの制御パターンを持っており、さまざまな運転状況に柔軟に対応できる。

【画像全4枚】

発進時は基本的にモーターのみでスタート。エンジンのアイドリング回転数を超えたところで半クラッチを行ない、同調したらエンジンとモーター両方のパワーで加速する。ゼロスタートでクラッチミートを行なわないため、クラッチの寿命は大幅に長くなるという。

低中速域は小排気量ターボエンジンをモーターがアシストすることで、低燃費とドライバビリティを両立させる。モーターアシストが有効なのはアイドリングの600rpm前後から1800rpm程度までと、有効トルクバンドの半分近いレンジを占めている。モーターはパワーアシストのほか、機械式ATがシフトアップ/ダウンを行なう際にはクラッチの回転数をエンジン回転数と同調させる役割も受け持ち、素早い自動変速を可能としている。車速変化の少ない巡航時はパラレルハイブリッドの常として、基本的にエンジンのみで走行する。

減速時にはモーターを発電機として作動させ、減速エネルギーを電力に変換して電池に蓄える。エネルギー回生中、モーターの抵抗だけでじゅうぶんな減速が得られる場合はクラッチを切り、エンジンブレーキによる回生ロスを防止する。停止後、シフトレバーをNレンジに入れればエンジンが停止し、アイドリングの燃料消費を防ぐ。エンジンはDレンジに入れると再始動する。

こうした細やかなシステム制御により、キャンターECO HYBRIDはハイブリッド車の燃費計測モードであるM15モードで同クラスのトラックに比べ3割ほど燃費を低減。また実際の走行でも平均車速15km/hという混雑した都市部で2割、もう少し車速の高い市街地で1割ほどの燃費節減を実現しているという。なお、小排気量ターボエンジンを搭載していることから、巡航時の燃費も改善されているものと推測される。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  2. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  3. 三菱自動車、国内販売は5期連続増 2025年4~9月期実績
  4. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
  5. アバルト最初のSUV『パルス』、Netflix『ストレンジャー・シングス』仕様をブラジルで限定発売…隠し装備も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る