『マツダスピードアクセラ』に用意されるトランスミッションは6速MTのみ。ATが9割を超える日本市場で、ATを採用する案はなかったのか。『アクセラ』の開発責任者を務めた前田龍雄さんに話を聞いた。
「マツダスピードアクセラは最初からMTだけのつもりで開発を進めました。もちろん日本のマーケットはATが主流ですが、販売台数の関係などからMTだけの設定と決めていました。このトランスミッションはショートストローク化を図っていますが、操作力の増加を抑えた心地よいフィーリングを実現しています」という。
実際にマツダスピードアクセラを運転してみると、シフトフィーリングは非常に心地よく、スパっと次のギヤへと導いてくれる。トランスミッションそのものは『マツダスピードアテンザ』と同タイプだが、ファイナルレシオはアクセラ専用に合わせているので、FFで重量の軽いアクセラにも合っている。
低回転域でもターボが効いてくれるのでトルクが太く、ハイパワー車でありながらも使用しているギヤにナーバスにならなくていいのも魅力だ。それでいながら、5000rpmを超える高回転域でもレッドゾーン付近まで、さらに鋭い加速感を見せてくれる。
低回転だけではなく、ターボらしい高回転での伸びを体感できるのも、この6速MTならではの楽しみといえるだろう。このトランスミッションなら、確かにATを欲しがる必要はなさそうだ。(つづく)