今年3月、鹿児島県鹿屋市内でRVを飲酒運転した際、バイクと衝突して運転者を死亡させるひき逃げ事故を起こしたとして、業務上過失致死などの罪に問われた32歳の女に対する判決公判が21日、鹿児島地裁鹿屋支部で開かれた。裁判所は懲役3年の実刑を命じている。
問題の事故は今年3月9日未明に発生している。鹿屋市西原2丁目付近の市道で、17歳の男性が運転する原付バイクと、対向車線側に逸脱してきたRVが衝突。男性は近くの病院へ収容されたが、事故から約5時間後に出血性ショックが原因で死亡した。容疑車両は現場から300mほど離れたアパート駐車場で発見。所有者していた31歳(当時)の女を業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。
当時この女は高校教諭で、鹿屋市内で同僚と飲酒をした後に代行運転で帰宅。その後、コンビニエンスストアへ買い物へ行こうとクルマを自ら運転した際に事故を起こしたことが判明していた。
21日に行われた判決公判で、鹿児島地裁鹿屋支部の瀬戸さやか裁判官は、被害者が事故から約5時間後に死亡したことを指摘。「事故後の数時間、被害者の意識はあり、被告が救護義務を適切に果たしていれば死亡は免れた可能性も否定できない」と述べ、飲酒運転を隠蔽しようという被告の行為が重大な結果を招いたと断定。被告に対して懲役3年の実刑判決を言い渡した。