【レクサス ハイブリッド 考察】弱点を補完する“いいとこ採り”

自動車 ニューモデル 新型車
【レクサス ハイブリッド 考察】弱点を補完する“いいとこ採り”
【レクサス ハイブリッド 考察】弱点を補完する“いいとこ採り” 全 5 枚 拡大写真

“ハイブリッド(hybrid)”という英単語を辞書でひも解くと、そこでは「雑種の」、あるいは「混成の」といった訳が見てとれる。今や、この言葉はエンジンとモーター双方を備えるクルマを示すものという認識を持つ人も少なくはなさそう。が、こうしてじつはそもそも“自動車用語”とは何の関係もないのがこの言葉でもあるわけだ。

それでは昨今、クルマの世界でそんな「ハイブリッド」が持てはやされる理由はいったい何だろうか? それは、ガソリンエンジンが宿命的に抱えてきたウイークポイントを電気モーターの特性で効果的に補完できることが明らかとなり、しかも技術的、かつコスト的に、それが世の中に対して受け入れられる土壌が整ってきたため、と考えてよさそうだ。

これまで用いられてきたエンジン=内燃機関には、ガソリン、ディーゼルを問わずそれが効率よく運転できる領域というものがある。端的にいえば、カタログに記載をされる「最大トルク」を発生する回転数付近で運転をさせたとき、そのエンジンはもっとも効率よく回ることができるというわけだ。

いっぽう、“そこ”を外すと燃費も出力も大きくダウンをしてしまう、というのが内燃機関の大きなウイークポイント。しかも、たとえ停車中でもエンジンは「自らの回転を維持できる最低限の速さ」で運転し続けなければならない。当然そこでは、消費する燃料、発生する出力のすべてが無駄になる。いわば「効率ゼロの状態」がご存知このアイドリングという状態だ。

また、電気モーターはエンジンとは逆に、その特性上「低回転になるほどに強さを発揮する動力源」。そんなエンジンとモーターの“いいとこ採り”を行なうことで両者の弱点を補完しあい、エンジンを単体で用いる場合、あるいはモーターを単体で用いる場合では成し得ない性能を実現させようというのが、複数の動力源を用いるハイブリッドカーの狙いどころ。そんなハイブリッドのシステムに世界の自動車メーカーの中でもっとも強い期待を抱き、もっともエネルギーを注いでその開発に取り組んで来たのがトヨタ自動車だ。

そしてついに1997年、社運を賭けたトヨタのハイブリッドモデル量産計画は世の中に日の目を見る。この年の末、注目の中で発表されたのが「21世紀に間にあいました」のキャッチフレーズとともに登場の初代『プリウス』である。(つづく)

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  2. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 「盤石シャシー」に「戦甲車体」採用、ワイルドすぎるオフロードSUVが1時間で9700台受注の人気に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る