【レクサス・ハイブリッド 考察】静の世界と躍動の世界の両立

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【レクサス・ハイブリッド 考察】静の世界と躍動の世界の両立
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ハイブリッドモデルは各シリーズの頂点に立つモデルと位置づける---すでに明らかにされていたレクサスのそうしたポリシーを裏付けるように、GSシリーズの最高価格モデルとして設定されたのが「GS450h」。

「450という数字は4.5リッター車に匹敵をする加速性能を持つゆえ」という開発者のコメントを裏付けるように、このクルマのエンジン+モーターというパワーパックが発する出力は最大時に345psと、「430」の280ps、「350」の315psを大きく凌ぐ。

ちなみに、この“システム出力”と称される値は「エンジンとモーターの双方により、システムとして一度に発揮できる最大出力」というのがトヨタ流の解釈。モーターの最大出力は200psと発表されているが実際にはそれは「駆動用バッテリーからの出力+エンジンが発電機を駆動して電気として発する出力」に依存。それゆえ、搭載エンジンの最大出力が296psというところから、バッテリーからの短時間出力は最大で「49ps」分という計算が成り立つ。

GSシリーズの開発責任者であるレクサスセンターの三吉チーフエンジニア(CE)は、450hで演じたかったハイブリッドカーならではの性能の最たるものを、「まずは静の世界と躍動の世界のメリハリある両立」と語ってくれた。

なるほど、“静の世界”の演出は、アイドリングストップやEV(電気自動車)走行が可能なハイブリッドモデルにとっては得意中の得意技。さらにGS450hの場合、ハイブリッド・ユニットの作動音やEV走行時の静粛性、停車中にエンジンが起動する際のノイズなどをレクサス車独自の商品性基準=“レクサス・マスツ”の項目に加え、よりいっそうの静かさを追求することに注力したという。

いっぽうの“躍動の世界”は、すなわち通常のエンジン車では成し得ない加速感の演出。より具体的には「アクセルONと同時に間髪なく加速が開始され、その先もシームレスで人間の感覚に合ったレスポンスのバラつきの少ない安定した加速感」の具現化にこだわったという。

ところで、シリーズのトップモデルとなる450hに採用のエンジンが、8気筒ではなく6気筒ユニットである点に戸惑いを感じる人もいるだろう。これについては、ハイブリッドモデルはつねにその時点での最新アイテムとして提供したいということから、「より設計の新しいV6エンジンをシステムのパートナーに採用した」というのが三吉CEの回答だ。

確かに、GSに搭載されるエンジンとしては430用の「3UZ-FE」型よりも350用の「2GR-FSE」型のほうがはるかに新しいユニット。しかも、すでに次期型『LS』に搭載予定のエンジンが「新開発のV8」と発表されている現在、敢えて“旧いエンジン”をハイブリッドシステムに用いる必要はないというのがトヨタの判断となったはずだ。

もちろん、既存の価値観からすればそのヒエラルキー上は「8気筒の方が6気筒より上」と考えられそう。が、見方を変えればそれを承知のうえで敢えて現状のようなラインナップ設定とした背景には、もはや気筒数の多少よりもハイブリッドシステムの有無のほうが、その付加価値性への影響は大きいというトヨタの考え方が表れているとも受け取れる。(つづく)

《河村康彦》

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