11日午前、宮城県仙台市の仙台市消防局に「トンネルで多重衝突事故が起きて、火災も発生した」という内容の119番通報が寄せられた。警察や消防が現場に急行したものの、事故や火災の事実は無く、虚偽通報だったことが判明した。警察では悪質な業務妨害事件として捜査を開始している。
宮城県警・仙台北署によると、仙台市消防局に119番通報が寄せられたのは11日の午前9時55分ごろ。男の声で「国道48号の関山トンネル(仙台市青葉区作並付近)でトラック5台の多重衝突事故があり、クルマが炎上している」と連絡が入った。通報は携帯電話で行われたが、途中で切れたことから消防局が掛け直したところ、電話がつながらない状態となったため、事故の可能性があるとして警察にも連絡。消防車や救急車を出動させた。
警察もパトカーや上空管制用のヘリコプターを出動させたが、警察への通報が入らないことから先着したパトカーの警察官に確認を要請。トンネル内に事故の痕跡はなく、結果として虚偽通報だということが判明した。現場に急行した警察車両は宮城県警と山形県警あわせて16台。消防車は仙台市消防局から16台、山形県東根市消防本部から6台の合計22台が出動している。
警察では悪質な業務妨害事件として捜査を開始。通報した携帯電話の契約者情報を電話キャリアに照会するなどしている。仙台市消防局には今年1月から8月末までに35件の虚偽通報があったが、ここまで悪質なのは例が無いという。