ホンダは、ガソリンエンジンをベースに、エタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行可能な「フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)」を開発したと発表した。年内にブラジル市場に投入する。
エタノール混合燃料では、混合割合によって低温始動性への影響度、空燃比や出力などが変化するため、安定した動力性能や燃費、排出ガスレベルを維持することが課題だった。
今回の同社が開発したシステムは、排気系に取り付けた排ガス濃度センサーの出力からタンク内の燃料性状を推定することにより、エタノール混合燃料のエタノール比率が20%から100%までの対応を可能としながら、ガソリン車と同等の動力性能と低燃費性を実現したと、している。
さらに、サブタンクを用いたコールドスタートシステムにより、外気温が低い場合の始動性も確保する。
ブラジルなどで使用されているバイオエタノール燃料は、サトウキビなどの植物を原料としており、これを燃焼した場合に放出されるCO2は、もともと植物が大気中のCO2を光合成により取り込んだもので、大気中のCO2濃度には影響を与えない。このため、石油の代替燃料であると同時に、地球温暖化対策として注目されている燃料だ。バイオエタノール燃料はブラジルで普及しているため、年内に同市場にFFVを投入する。