ヤマハ発動機は、静岡県袋井市に建設中だった「アスタキサンチン原料工場」が完成し、10月26日から量産開始すると発表した。
工場の生産能力はアスタキサンチンの原料であるヘマトコッカス藻の乾燥藻体ベースで年間約20t。工場で生産された原料は、油脂メーカーによって抽出精製され、アスタキサンチン製剤『PURESTA』(ピュアスタ)オイルとして、10月末からサプリメント・食品・化粧品などのメーカーに販売する。
完成したアスタキサンチン原料工場は、袋井市の「久能工業団地」に取得した約3万7000平方メートルの敷地内に位置した鉄骨2階建てで、建築面積約1,800m2、延床面積3300平方メートル。同工場は、独自開発の屋内培養システム「ヤマハ高効率バイオリアクター」を中心とした最新技術を駆使した培養設備や健康食品GMP(適正製造規範)取得を前提とした生産体制で、濃度8%という高濃度、かつ高品質で安全性に優れたアスタキサンチン原料を安定的に供給すると、している。
2005年7月に完成したライフサイエンス事業の研究開発拠点であるライフサイエンス研究所も併設しており、研究開発から生産までを一元化することで生産性向上を図る。
同社では、販売を開始する「PURESTA」オイルに加えて、アスタキサンチンの水溶化製剤についても太陽化学と共同開発を進めており、年内には商品化する予定だ。アスタキサンチンの用途拡大に向け、飲料メーカーへの販売を開始する。さらに、来年春には一般消費者向けの商品(サプリメント)の発売も予定しており、これら製品の販売により、初年度の売上高は約10億円、2015年には年間売上高300億円を目指す。