【歴代 カローラ 物語】3代目30系/50系…コロナと勝負

自動車 社会 社会
【歴代 カローラ 物語】3代目30系/50系…コロナと勝負
【歴代 カローラ 物語】3代目30系/50系…コロナと勝負 全 9 枚 拡大写真

『コロナ』と正面から勝負できる上級志向のファミリーカーとして開発されたのが、3代目の30系/50系『カローラ』である。74年4月にベールを脱いだ3代目は、その型式から「カローラ・サンマル」と呼ばれた。キャッチフレーズは「大衆車の決定版」だ。

第一次オイルショックと排ガス規制のダブルパンチに見舞われたこともあり、持ち前の高い経済性に加え、上級クラスと同等の高い安全性と優れた快適性をチャームポイントに掲げている。

ボディバリエーションは、主役となる2ドアと4ドアのセダン、そしてクーペに代わって登場した2ドアハードトップだ。ちなみに『スプリンター』にはファストバックの2ドアクーペを設定した。ホイールベースは35mm延び、トレッドは前後とも40mm広げられた。

メカニズムは2代目の改良型だ。エンジンは1.2リッターと1.4リッター、そして1.6リッターの4気筒OHV、1.6リッターの「2T-G」型4気筒DOHCと、4機種を揃えている。トランスミッションは4速MT、5速MT、2速ATに加え、新たに3速ATを設定した。

3代目にバトンタッチするや、カローラはVW『ビートル』を抜き、生産台数世界第一位の座を手にした。

75年から本格的に排ガス対策に取り組む。まず1.4リッターと1.6リッターのOHVエンジンに50年排ガス対策を施している。だが、ソレックス・キャブ装着の2T-G型DOHCは排ガス対策のメドが立たずカタログから消えた。76年1月、マルチパーパス志向の「リフトバック」を市場に送り込んだ。この年は51年排ガス対策を行なっている。

77年1月にはスプリンター・クーペのボディを譲り受けた2ドアクーペが仲間に加わった。これを機にDOHCエンジンを積む「1600GT」が復活する。ソレックス・キャブに代えて採用されたのは、時代の寵児と言われた電子制御燃料噴射装置のEFIだ。

夏には1.2リッターモデルからバトンを託されて登場した1.3リッターモデルと1.6リッターモデルが53年規制適合車となった。DOHCエンジンを積む1600GTも、78年には53年排ガス規制をクリアしている。

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. コメリが洗車グッズの新商品を発売、撥水力2倍のカーワックススプレーなど4アイテム
  3. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  4. 不適切利用47%、カメラ式駐車場管理システムで判明…熊野白浜リゾート空港
  5. 『ジムニー/ジムニーシエラ』のコックピットをかっこよく進化! 簡単取付けのデジタルメーターが新発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る