『A6アバント』をベースとしながらも、『オールロードクワトロ』として独自のブランドを構築しているところは、他社のステーションワゴンベースのクロスオーバーよりも成功したといえる。
2代目となる新型は押しの強いフロントマスクが与えられ、よりA6アバントとの差別化が明確となりプレミアム感が増した。
V6/V8双方のエンジンに標準装備される、5つのモード切替を持つアダプティブエアサスペンションは、各モードで車高が変化するとともに、乗り味も大きく変わるので、1台でSUVからスポーツワゴンのような走りが楽しめようになった。
直噴となったV8エンジンも大幅にフィーリングがよくなって、走りの質感が高まっている。V6で790万円、V8で980万円という価格は一見高額に見えるが、ベースのA6アバントとの価格差はV6は54万、V8で26万円しかないので、この価格差なら迷うことなくオールロードクワトロを選んだほうがおトクだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌出版社に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。