このクルマが巨大なアメリカの市場を中心に狙ったものであることは、そのボディサイズやSUVという車両カテゴリーからも明らか。ちなみに、北米市場向けには日本向けにはない6気筒モデルがすでに発売されている。
こうして、再生を目指す三菱がまずは北米市場のマスマーケットを狙って開発したモデルであるだけに、そのスタイリングにも走りのテイストにも強い個性がないのはやむを得ないことか。
CVTとの組み合わせが生み出す動力性能は“実用車”としては大きな不満のないものだが、それでもやや余力に欠ける印象は否めないし、定員乗車時などを思うとやはりもう少しの余裕が欲しくなる。
通常時はFWDベースとなるオンデマンド式電子制御4WDは、雪の中でも危なげない扱いやすいハンドリングを実現してくれるのを確認済み。が、起死回生を狙う象徴であるのならば、ライバルに埋没をしない個性が欲しい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……