類似事故から予見は可能、園長らの不起訴不当

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2002年9月、愛知県名古屋市緑区内の私立保育園で、屋上に設置された駐車場から運転を誤った乗用車が転落し、園児1人が死亡した事件について、名古屋第一検察審査会は25日、この保育園を運営する法人の理事長と当時の園長の不起訴不当を議決した。

問題の事故は2002年9月18日夕方に発生した。名古屋市緑区有松町桶狭間付近の私立保育園で、屋上に設置された駐車場から75歳(当時)の男性が運転するワゴン車が金属製の柵を突き破って約3.6m下の園庭に転落。園児2人がクルマの下敷きとなり、3歳の女児が死亡。もう1人も重傷を負った。

運転していた男性は罰金50万円の略式命令を受けたが、この保育園の運営法人の理事長と当時の園長は業務上過失致死傷容疑で書類送検されたものの、名古屋地検は嫌疑不十分を理由に不起訴としていた。これを不服とした遺族が今年4月、名古屋第一検察審査会に対して不服の申し立てを行っていた。

同会は審査を行ってきたが、この保育園では以前にも同様の事故が起きていたということに着目。「同様事故が発生していたという事実から、類似事故の発生は予見が可能であり、必要な措置を取ることも十分可能だった」と指摘した。さらに「屋上に駐車場を設置すること自体、危険防止のための配慮がみられない」、「感情論ではあるが、関係者には誠意のある態度がみられない」として不起訴不当を議決した。

《石田真一》

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