今年7月、静岡県静岡市清水区内の国道1号バイパスで過積載の大型トレーラーが横転。下敷きになった歩行者を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われている61歳の男に対する判決公判が26日、静岡地裁で行われた。裁判所は懲役2年6カ月の実刑を命じている。
問題の事故は今年7月31日午前に発生した。静岡市清水区西久保付近の国道1号バイパスで、右折をしようとしていた大型トレーラーがバランスを崩し、道路左側の歩道に乗り上げるようにして横転。信号待ちをしていた20歳の女性がコンテナの下敷きとなって死亡した。運転していた60歳(当時)の男は業務上過失致死や道路交通法違反容疑で逮捕。同罪で起訴されていた。
検察側はこれまでの公判において、トレーラーが約4トンの過積載状態だったこと。横転しない速度限界が約43km/hだったにも関わらず、40km/h以上50km/h未満の速度で右折を行っていたことを指摘していたが、26日の判決公判で静岡地裁の竹花俊徳裁判官は、これら検察側の主張を採用。
その上で「被告は職業運転手であり、重量物を積んだトレーラーが減速せずに曲がろうとすれば、横転の危険性があるということは常識として承知していたはずだ」と指摘。「それでも減速しなかったなど、基本的な注意義務を怠った責任は重い」として、懲役2年6カ月の実刑を命じた。