『イオス』の魅力はハードトップオープンカーでありながらも、開閉可能なグラスルーフを装備しているところにある。これならウインターシーズンの厳しい寒さから、梅雨どきなどの雨が多いという日本特有の気候でも、つねに空の景色を感じながらドライブすることができる。
また、走りに関しても、同ジャンルのプジョー『307CC』や『メガーヌ・グラスルーフカブリオレ』が2リッターNAエンジンなのに対し、イオスは2リッター直噴ターボと3.2リッターのV6を設定し、圧倒的に優位に立っている。
ただし、V6エンジンは『ゴルフ R32』や『パサート』では4WDを組み合わせているが、イオスの場合はFFとなるので、少し力が有り余っている印象がある。よって2リッター車がオススメだ。
トランスミッションは両エンジンともに電光石火のシフトチェンジが可能なDSGが組み合わされているので、スピーディなシフトワークが楽しめるのも魅力。イオスは全天候型オープンカーでも、ドイツ車らしく走りもキチンと煮詰められているところも美点だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌出版社に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。