新型スズキ『セルボ』のデザインをとりまとめた結城康和チーフデザイナーに、ブランドフィーリングについて聞いた。「スズキが変わった」と思ってもらうためのデザインの中で、ファミリーとしての要素は残しているという。《インタビュア:松本明彦》
−−新型セルボではいかがでしょうか?
結城 新型セルボでは、立体感や安定感、カタマリ感についても、同様にしっかりと出しながら、ルーフのTL断面を、『スイフト』や『MRワゴン』と似た傾向の断面にしたり、新しいファミリーである『SX4』に通じる強いウエッジのボディとしたりして、ファミリーとしての関連性が出るような造形としています。
またグラフィックスとしては、初代セルボのフロントグリルの造型をロアグリルに盛り込んだり、歴代のセルボではホイールデザインに「穴」型を採用していたのですが、新型セルボのアルミホイールでも穴型を踏襲したりして、セルボとしてのDNAも盛り込んでいます。
−−つまりスズキのデザインDNAは、はっきりとしたグラフィックだけでなく、その立体感やカタマリ感、断面などの造形などでも表現し、見る人がフィーリングとしても感じ取れるものなのですね。
結城 はい。例えば家族で集合写真を撮ったとして、そこには全く同じ顔の人というのはいないんだけど、目が似てるとか、体型が似てるとかで、ハタから見て、ああやっぱり家族だな、とわかると思います。そういう関連の付け方でファミリーフィーリングを演出したいと思っていますし、また、そのDNAは、世代を経ることで、どんどん進化していくものでありたいとも思っています。