11月期の全米の自動車売り上げが報告されたが、その結果かつて全米でGMに次いで不動の2位を誇っていたフォードモーターが、GM、トヨタ、ダイムラークライスラーに次いで4位に終わったことが明らかになった。昨年11月と比べて売り上げは10%減、市場に占めるシェアも昨年の16.9%から14.8%へと落込んだ。
一方のトヨタは昨年と比べて売り上げが16%アップ、シェアも16.5%に伸びた。ダイムラークライスラーはメルセデスベンツグループとクライスラーグループを合わせて売り上げが5%増、シェアは15.6%。GMのシェアは24.6%である。
フォードにとってショッキングなのは、昨年11月がこれまで「史上最低」の売り上げ、と言われていたためだ。昨年はハリケーン「カトリーナ」被害の影響で一時的にガソリン価格が高騰、すべての自動車メーカーが販売減を見た。そのため今年11月はほぼすべてのメーカーが昨年比で上昇しているのに対し、フォードはさらなる下落。しかも乗用車、ライトトラック双方が下落している。
また、GM、フォードの2社は来年の第1四半期に、在庫減少のためGMが9%、フォードが14.4%の生産カットを発表している。フォードではさらに今年第4四半期の生産も62万台に留めると発表済み。これは昨年比で20%のカットとなる。そのため、特にフォードではシェアの下落は織り込み済みとは言え、「14−15%で安定することを望む」とコメントを発表せざるを得ない状況だ。
エドモンズ・コムの業界アナリスト、ジェシー・トプラック氏は、「来年の7月頃には、トヨタがアメリカで2番目の自動車メーカーとして不動の座を築いていることになる」と予測しており、フォードのシェア奪回は難しい、というのが一般的な見方だ。
フォードでは12月からクロスオーバー車『エッジ』の販売が始まる事で、販売向上を期待しているが、一方でベストセラーピックアップの『Fシリーズ』の売り上げが16%減などの不安要素もある。
来年フォードが持ち直してダイムラークライスラーと3位争いをするのか、さらに下落してホンダと4位争いとなるのか、フォードの「ウェイ・フォワード」にとっては大きな正念場となりそうだ。