現在ロシアでは、日本の中古車を輸入し、それを運転しているドライバーはきわめて多い。他のヨーロッパと同じく、左ハンドルが普通のロシアでは、これらの「右ハンドル」の利用を禁止しようとしたものの、市民から反発を招いている。
騒動の発端は、今年初めに、あるロシア政府高官が交通事故死したが、この原因が対向車線を走っていた右ハンドル車にあった、とされたことにある。これを受けてプーチン大統領は、「右ハンドル車禁止」を打ち出した。割安な中古車の輸入を減らし、新車の販売を増やしたいという思惑もあったようだ。
しかし実際には、対向車のドライバーは事故に無関係だったことから、右ハンドル車を利用する市民から、政府に批判的な声が上がり始めた。特に、日本の中古車の利用者が多い極東の街ウラジオストックでは、先週末に3000人の市民がデモを行った。
ウラジオストックでは、パトカーですら右ハンドル車であることもあり、「右ハンドル車禁止の法制化は難しい」と見られている。ロシア政府としては、こうした市民運動が政権を揺るがす事態に発展することを恐れている、とも伝えられている。