【いすゞエルフ 新型発表】自らの固定観念を打ち破る3.0

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【いすゞエルフ 新型発表】自らの固定観念を打ち破る3.0
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いすゞの主力小型トラック、新型『エルフ』のエンジンはすべてディーゼル。主力は3リットル直4ターボで110ps・28.2kgmと150ps・38.2kgmの2種類のチューニングが存在する。ワイドキャブモデルの一部には5.2リットル直4ターボ(155ps・42.7kgm)が用意される。

新型エルフの最大の特徴は、一部のグレードを除いてエンジンを3リットルターボとしたことだ。車両総重量が最大で8トンに達するエルフクラスのトラックは通常、排気量4〜5リットルのエンジンを搭載する。小排気量エンジンではトルクが足りず、ドライバビリティが低下するというのがこれまでの“常識”だった。

3リットルエンジンは、大型トラックで世界的なトレンドとなっている小排気量・高過給圧のコンセプトを小型トラック向けに適用したもので、ターボの最大過給圧は実に1.5barに達する。また、VGS(可変ジオメトリー)ターボを採用し、低回転から素早く過給が立ち上がるようチューニングを重ねたという。

「ウチは従来、車重が一番軽いクラスを除いて、4.8リットルを使ってきました。それを3リットルで本当に走らせることができるのだろうかと、当初は自分たちも半信半疑でした。どんなにターボを改良しても、極低速域では絶対的な排気量がモノを言うという固定観念が頭に染みついていたんです。ですが、VGSターボの採用やエンジン制御プログラムの高度化を進めた結果、3リットルでまったく違和感なく走れるようになりました」(いすゞ関係者)

新型エルフは新長期排出ガス規制をクリアするクリーン性能と、良好な燃費性能を兼ね備えることをセールスポイントの柱の一つとしているが、小排気量・高過給化はその商品特性の実現に一役買っているのである。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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