11日、東名高速道路の高架橋で、軽4貨物が単独で横転した事故は、依然として事故原因が調査中だ。
この事故は同日午後5時37分に発生した。東名高速の東名バリアと東京インターチェンジの間にある長尾高架橋(川崎市宮前区平5丁目)下り線を軽4貨物車が通過nに事故は起きた。現場では、高架橋のつなぎ部分に設置されているはずの鉄製の伸縮装置(ジョイント)が外れているのがわかった。
道路を管理する中日本高速道路会社(名古屋市)によると、事故現場ではジョイントの一部(長さ1m、幅20cm、厚さ3cm)がはがれ、約20m先に落ちていた。ジョイントは2枚1組でくし型に組み合わされていて、気温差による橋の伸縮を吸収する。走行中にドンドンという突き上げ音の原因となるのがこの部分だ。通常は橋げたやコンクリートに固定され「外れることはまずない」(同社横浜支社)という。
外れるはずのないジョイントが外れていたのはなぜか。事故車が何らかの原因で横転した時に外れたのか、それとも経年劣化などで弱っていた場所を事故車が通行したのか、あるいは、すでに外れていたジョイントを事故車が通過するなどして事故に至ったのか。原因は今のところわかっていない。同社では事故の約1時間前に巡回した時点では異常はなかったという。
軽4貨物車を運転していた千葉県市川市の男性(57)に怪我はなかったが、助手席の男性(46)が腰を打つ軽傷を負った。「高速道路上の落下物はたくさんあるが、横転に至る事故は珍しい」(神奈川県警高速隊)として原因を調査中だ。
中日本高速は事故当日から、東名高速や中央自動車道など管内全路線にある同型のジョイント約1000カ所を緊急点検している。